仕事は目的意識を持って取り組むことが大切だ、何のためにこの仕事をやるのか考えなさいとよく耳にします。確かに、目的があると主体的に物事に取り組むようになるでしょう。言われたことを言われた通りにやるのではなく、工夫できる箇所や改善点はないだろうかと考えることは、自分の成長につながったり、やらされている感が減ったりなどのメリットがあります。
しかし、目的意識をはき違えてしまうとよくない結果を招くことになるので注意が必要です。たとえば、上司から資料を作るように指示されたとします。自分なりに資料作成の目的を考え、指示された以外のこともいろいろと盛り込んで提出したら、「余計なことはするな、指示されたことだけをやれ」と言われてしまい、「ちゃんと考えて指示された以上のことをしたのに」と思うかもしれません。ですが、ここでの上司の目的は、自分の指示通りの資料を作成してもらうことだったといえます。
このように、時と場合によっては指示されたことをそのままやることも必要なのです。相手が上司でも同僚でも顧客でも、人間を相手にするということは自分の思う目的と相手の思う目的に違いが出てくるのは当たり前であり、相手によって必要な目的意識が違うという意識が大切になります。目的をはき違えて空回りしてしまい、言われたことだけやる方が楽だと思うこともあるかもしれません。しかし、空回りを経験することも自分の成長につながりるなポイントとなるのです。